2015年10月27日
【地域の気候・風土・文化にあった家づくりを】

住宅作りでは、その地域の気候・風土・文化に合わせることも非常に重要だと考えています。
気候にあわせるとは、冬は積雪も多くまた風も強いこの庄内で暖かく健康に暮らせる家作り。
風土・文化に合わせるとは、その土地に伝統として伝わる家の間取り・かたち。
また祭りなどが育む文化と人間関係・・
それらを全てあわせてプランニングし住まい作りを提案するのが我々の務めです。
今回の新築は、まさにそれらが施主様のご要望でした。
新しい技術と伝統的なものを組み合わせバランスをとる・・・
そんな仕事をさせていただきました。
それまでお住まいだった家は築100年近い茅葺のお宅。
夏は涼しくていいが、屋根の維持管理はもう限界・・・
冬は寒さが身にしみる・・ 年寄りにはきつい・・。
そんなお話を伺っていました。
しかしこういう風景も捨てがたい・・・
でもご家族の健康には代えがたい。
せめて写真を・・・とカメラ片手にうろうろ・・・
新築に際し、ご希望のプランにあう暖房設備は・・・?
関係業者が集まり、様々なアイデアと経験に基づくデータがやり取りされました。
また、軒の出を深くした伝統的な外観に合わせて、夏の日射遮蔽などといったパッシブの要素も盛り込むことにしました。
工程が前後していますが断熱の様子です。
こうして「健康省エネ住宅の基礎」をつくっていきます。
施主は上棟式も非常に大切に考えられていました。
ご親戚や、ご近所の方々が大勢集まり盛大に催されました。
新旧のお宅が並ぶ・・・
屋根の軒の出によって、夏の日射をさえぎり冬の日射を屋内に取り入れる・・・
設計どおりに11月ごろから日射が窓から入ってきています。
これにより暖房負荷を抑えることが出来ます。
数年前新築に当たってエコハウスアワードで省エネ賞をいただいた自社物件と道路向かいでした。
「あの家に行くと玄関から暖かかったもんだから・・・
だから君に頼んだんだ」と施主。
ありがたいお話です。
計画通りに各設備工事が行われ、温熱環境の調査も無事終わり竣工しました。
後日、竣工祝いの席にお誘い頂きその帰りしな、おじいさまがわざわざ窓を開けて
「棟梁! 暖かい家、本当にありがとうー!!」と声をかけてくれました。
このためにこの仕事をやっている・・涙が出る瞬間でした。

Posted by あっ!くん at 19:30│Comments(0)
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